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あらゆる生命が息づく場所
2005年7月14日、北海道・知床の世界自然遺産への登録が決定。日本では、白神山地、屋久島に次ぐ3番目の登録となりました。その動向は、北海道内はもとより日本中、世界中から注目されており、関係者の感動もひとしおです。 今回ご紹介する写真家の後藤昌美さんも、世界自然遺産への登録を待ちわびていた一人。北海道旭川市に活動の拠点を置く後藤さんは、知床の自然に魅せられ、10年以上も前から四季折々の表情を撮り続けてきました。その集大成ともいうべき写真集が7月25日に山と渓谷社から発行されました。後藤さんは知床の魅力を「あらゆる生命が息づく場所」と言います。まさにその、「多様な生態系」こそが、世界自然遺産登録のキーワードです。後藤さんの写真集には、そうした知床の魅力が余すところ無く表現されています。
「イウォル 知床・生命の聖域」
写真集のタイトルは、「イウォル 知床・生命の聖域」。聞き慣れない「イウォル」とは、どういう意味なのでしょう。写真集では、次のように説明しています。 「『イウォル』というアイヌ語には、川の流域や山が幾重にもおりなす山域、そして動植物の共同体、さらにはカミが住む山であり、サケにとっての『イウォル』は上がってくる川やそれらの流域を指します。さらに人はその場所でもたらされる恵みを享受し、生活を営み、すべてのエコシステムを聖なるものととらえ、祈りを捧げました。まさに知床は世界に誇れる私たちの大切な場所、『イウォル』であるといえるでしょう」。後藤さんは、「『イウォル』という言葉が知床のすべてを言い得ている」と話します。
心揺さぶられる知床の大自然
これまで何度も知床へ足を運び、時には厳冬の海を、またある時はヒグマと目が合う程の近さから動物の生態を撮影。まさに知床を知り尽くしているからこそ表現できた感動的な写真集となりました。
「四季折々、いつ行っても迫力ある光景に出会い、心を揺さぶられる」という後藤さんが特に魅力を感じるのが、厳冬の知床半島。写真集にも収録されている、西海岸の断崖の写真は、人を寄せ付けない厳しさに満ちています。
後藤さんが冬に惹かれるのは、オホーツク沿いのまち、枝幸町で生まれ育ったせいかもしれません。「流氷の上に乗って遊ぶのは当たり前」という子供時代のワクワクした気持ちを今も持ち続けています。これまでも、知床、大雪山、カムチャツカ、サハリン、北方四島と、北の写真を撮り続けて来た後藤さん。これからも北の自然にこだわった写真を撮り続けたいと話します。
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●後藤昌美(ごとう まさみ)プロフィール
1955年北海道枝幸町生まれ
1978年から、コマーシャル写真と共に大雪山の写真を撮り始める。
以後、北海道の自然、サハリン、北方四島、カムチャッカ、知床の写真を中心に撮り続ける。
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●後藤昌美写真展「イウォル 知床・生命の聖域」
旭川市・冨貴堂ギャラリー(0166-25-6767) 2005年8月2日〜7日
東京都・富士フォトサロン/東京(03-3571-9411) 2005年10月7日〜13日
東川町・東川町文化ギャラリー(0166-82-2111)2005年11月5日〜24日
札幌市・富士フォトサロン/札幌(011-241-7366)2006年4月7日〜19日
<これまでの写真集>
「イヨマンテ」(小学館)
「サハリン・北方四島」(北海道新聞社)
「知床・残された神の土地」(小学館)
「大雪残象」(京都書院)
「釧路湿原」(時事通信社)
「野生と火の国・カムチャッカ」(東方出版)
CD-ROM「知床・山と海の聖域」(シンフォレスト)
「水の大地・釧路湿原」(金羊社)など多数
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