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自然の中で創作活動をしたいと、東京などの大都市から北海道へ移住してくるアーティストが少なくありません。梅津真由美さんもそうした一人。生まれ故郷の愛別町に居を移し、ここから作品を発表すると共に、引き続き東京での仕事もしています。
自然に育てられた色感
愛別町は大雪山連峰をのぞむ、石狩川が流れる小さな町。梅津さんは、この町で生まれ育ち、やがて、東京のセツ・モード・セミナーへ。卒業後も東京に残り、イラストレーターとして、広告やエディトリアルなどの分野で活躍していました。愛別町へ帰ったのは2002年。体調を崩し、「いきものとしての自分が、水が良くて土の近く、樹木が多くて人口密度の低いところで暮らしたいと望んでいることに気がついた」と話します。また、多方面で活躍している造形作家の大西重成さんが、1996年にやはり生まれ故郷である北海道津別町に活動の拠点を移したことも、背中を押したといいます。
「思春期のころは、小さな町ならではの息苦しさを感じていたし、自然には興味がもてなかったので、愛別は何もないところだと思い込んでいました。でも、長く東京で暮らし、体を壊してはじめて自然の持つ力や豊かさに気付き、感謝の気持ちを抱けました。そして、わたしの色感を育ててくれた大事な場所と思っています」と話す梅津さんです。
ゆっくり生きてこそ、気付くものがある
梅津さんはこう話します。「東京は物質的にも文化的にも恵まれていて、楽しい。多様なライフスタイルを持つ人がいて、ある意味気楽に生活できます。テンションが高く、緊張感もあるので仕事をするには最適。でも、暮らすだけで、すごくエネルギーを要する。それに比べ、愛別はのんびりしているし、安心感があります。その、のんびりムードにのまれて、潜在能力を活かしきれていない部分もありますが」。車を運転しない梅津さんは、「ゆっくり歩いてこそ、気付くものがあります」と話します。「春夏はもちろん美しいですが、これからは黄金色の稲穂と紅葉のコントラストが素晴らしいです。また、冬の寒さは厳しいけれど、一面が雪に覆われた景色は美しいの一言。厳寒の時期の夕暮れは、白い風景が、鮮やかなピンク、桜色、少しオレンジ色がまじったり淡い紫やグレー、徐々にネイビーに変化していきます。真っ白の雪景色の中に一度身を置いてみてほしいし、雪にけぶる風景も見てほしい」と自然の魅力を話します。
当たり前の風景の中の美しさ
現在は、小説誌やフリーペーパー、PR誌の挿絵、ポストカードなどの仕事をしています。こうした仕事の一方で、愛別町や旭川市、東京などで個展も開催。今年7月には、愛別町に残る石蔵を会場に、NY在住のJAZZチェロ奏者の吉川よしひろさんとコラボレーションを行い、大きな反響がありました。
「これから描きたい絵は?」の質問には、「長年、描きたいテーマは『水』『水分』の感触。人物や植物の持つ水分、人の心の中のなかの水分(みずみずしさや喜び、悲しみ含めて)を感じさせる絵」という答えが返ってきました。また、「命をつなぐ食べ物をつくっている人々の絵。なんてことないあたりまえの風景のなかの美しさ」とも。梅津さんの持つみずみずしい感性と愛別町の自然とのコラボレーションで、どんな作品が生まれていくのか、これからも注目していきたいと思います。。
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※梅津さんの作品やエッセイなどについては、下記のHP「愛別町(アイペット)スケッチ」をご覧ください。
http://www.pelican-inc.co.jp/ume/ume-8.html |