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▲「ぺろ」です♪
友人から預かった不思議な猫ちゃんのお話★イラスト・文:北海便 店長やまちゃん
(※営利目的な無断転載を禁じます。)
【vol 1.】
さくらと出会う前に同居してたネコちゃん。
彼女は、年齢不詳・住所不定ねこ。
仕事が終わったある土曜日の夜の事。
自宅へ帰る前に、お友だちの家に遊びに寄った時の事だった。
友達はひとり暮し。3LDKのアパートの2階に住んでた。
入口は集合玄関。そんで、階段を上がって右側が、彼女の部屋。
夜は階段は真っ暗。ちょっと恐いなあ、なんて思いながら、上がっていくと。
暗闇の中になんか、いる!気配を感じた…
2階の踊り場に、ね、ねこ!?
へえぇ、どこかで飼ってるのかな?
「こんばんは、ねこちゃん、どうしたの?」
「…」

そばで見ようにも、暗くて、姿があまりよくわからない。
まぁ、いいやとお友達のベルを押した。
ピンポーン
友達が出てきて、聞いた。
「ねね、ここにネコちゃんいるけど?このアパートの飼い猫?」
「あーちがうよーなんか、いつもいるんだよね。野良ネコみたいだよ」
「ふーん。でもさあ、下に玄関の戸があるのに、どうやって出入りしてるん?」
「さぁ?しらないよ〜」
「ここで、飼ってあげれば?」
「えー!ダメだよ〜飼えない…ネコ、苦手だし、アパートだし…」
そんな会話をして、家へ帰る事となり玄関のドアをあけると。
やはり、さっきのネコが。
友達に別れを告げながら、ネコを見る。
ちょっと、ぶさいくなネコだなぁ。
でも、なんだろ、なんとなくネコらしくない。
何がネコらしくないのか?ん〜すりすりしてこないトコ…かな?
人嫌いなのかなぁ。
なんとなく、気になりながら。。
日々は過ぎてゆく。
【vol 2.】
あれから一週間が過ぎた。
また土曜日の夜にも友人の家を訪ねる事にしたのだが。あの不思議なネコの事をすっかり忘れていた。
いつものように、アパートの玄関の引き戸を開けて入ると、あの猫はいた!前と同じ定位置に座ってる!そこは、友人の玄関ドアの前。
すると、そのネコが今日は寄ってきて、なんと足にすりすりしてきたのだった!
「あれ?なんか、かわいいな〜」
ピンポーン〜
友人が迎えてくれた。
「あのネコ、まだ、いるね。餌はどうしてるんだろ?」
「実は、私があげてるのよ…なんか、可哀想になってさあ。。ねえ、どうしたらいいと思う?困ってるんだよね。」
「え〜?どうしたらいいかって、言われてもねえ…」
そんなこんなで、しかたなく、預かる事となっちゃった!!
そのネコを抱いた。暗がりなので様子はよくわからないけど、おとなしく抱かれてる。
さて、困ったぞ!だって、我が家には「ゆめこ」というネコがおるねん!
ん〜まあ、大丈夫かな?
それよりも…心配なのは、母じゃ!面倒見てくれるかしらん。。?
私は仕事があるしなぁ…むむむむ。。
「とりあえず、連れてくわ。」
「良かった〜ありがとう!」
車の助手席に乗せ、車内灯をつけて、まじまじと猫の顔を見た…
ぷ!なんか、変な顔!
って何がへんなのか…?何かが変だった。
車を自宅方面へ向けていたが、ふと思い付いて、方向転換し会社へ寄った。
猫を抱いて事務所に入っていった。
事務所では代表がまだ仕事中。
「あれ?もどったの?お、猫だね。」
「そーなんだよ〜友だちから預かってきちゃったんだ」
「ふ〜ん」
代表がまじまじと猫の顔を見る。。。
「なんか、面白い顔の猫だね」
「え?そう?」
猫を床において、まじまじ見た…

「こいつ!舌だしっぱなしだぞ!」
「へ?どれどれ」
「あ!!ほんとだ!!出しっ放し!だから、面白い顔に見えたんだ」
「名前はなんていうの?」代表が聞く。
「しらない。だって、野良ネコだもん」
「そっかー、じゃあ、こいつは『ぺろ』だな!」
「ぺろ!あはは〜それいいね!ぺろ〜」
という事で、そのネコには「ぺろ」と名がつけられたのであった。。
そして、ある相談をした。それは猫を連れての出勤!明日から事務所で面倒を見ることになったのだ。
ふと、ぺろを見ると。。おっ?
ストーブの前で寝転んで、眠ってる。。
けっこう、図太い性格なんかな?普通なら、知らないとこに連れてこられたら、落ちつかなくて、かぎまわるはず…むむむ。。。
代表に別れを告げ、自宅へ向かった。
まだ、ある心配があった。。そう、それは我が家の猫・ゆめこの反応!
はたして…仲良くしてくれるだろうか!?
【vol 3.】
ぺろを預かり帰った日の夜は…10時を過ぎていた。
茶の間には母がいた。初めは驚いていたが、
世話は会社でするから、大丈夫!という事で、なんとかクリア!
そのうち、母も寝てしまった。
そして。。問題のゆめこ!
いつもの定位置でくつろいでる。しかし
ジロッとたまにこちらを見る。
ぺろを下においてみた。。
ドキドキ…ぺろはゆめこから少し離れたソファに座っている。
取っ組み合いなんてしたら、どうしよう…
2匹の様子を見てると、お互いに無関心を装いながら。。も。。?
相手を観察してるような?そんな空気が感じられた。
「ま、一晩、一緒にすごせば仲良くなるよな!二人とも大人だし!」
などと…簡単に考えた!
この時…よもやの大喧嘩が繰り広げられるとは。。想像もしなかったのだった。。。!
二匹を茶の間におき部屋で眠った。

明け方、ふと目がさめて。。2匹の様子を見に茶の間へ。
「おぉぉぉ!!!ど、どしたんだ!!」
茶の間には、争ったあとが!一面に猫の毛が散乱してたのだ!!
てっきり、ぺろの毛だと思い
「こら!!ゆめこ!あんた、ぺろになにしたん!!」
いすの上に寝てるゆめこを叱ったのだった。
ストーブの前に寝てたぺろを抱いた。
「ごめんね、ぺろ…怪我したかなぁ?」
べつになんでもない様子。
「あー?あれ?」
ぺろを下において、ゆめこをまじまじ見た。
「げ!」
禿げてる!!さらに背中の毛が逆立ったようにボサボサになってる!
「あちゃー!ゆめこがやられたほうか!ご、ごめん!ゆめこ!」
ケンカした痕跡を残さぬように…拾って捨てた。もちろん毛。
しかし。。?2匹とも何事もなかったような様子。
取っ組み合いにより強者が決まったということか…
それ以来、ぺろは自分の部屋で過ごすようになったのは、いうまでもない。
やはり…得体の知れないぺろ!油断禁物猫だった。。
【vol 4】
さて、ぺろと始った、奇妙な生活を紹介してみよう。
休日以外は、毎日車に乗せて、出勤。
そして、勤務中は事務所ですごす。
トイレは天然、外!事務所の周りは、大きな道路はあるものの、比較的に草むらの多い地域だった。
だからか、多少、安心して外へ出せたのである。
勤務が終わると、車で自宅へ。ワタシの部屋で過ごす。というより、ベットを占領される。
初めて、事務所で過ごさせた日、やはり緊張した。
みんなの仕事の邪魔にならないかなぁとか、お客さんに猫キライな人はいないかなぁとか。
そんで、外に出す時、ちゃんともどってくるかなぁ?迷子にならないかなぁ?
しかし、そんな心配は全く不要!だった。

ぺろは、ちゃんと外でベランダの戸を開けてくれるのを待っている!
そして、定位置を確保。ストーブの前の暖かい場所!!
むむむ…なんと。。かしこい!!
初日にして、すっかり環境に慣れてしまった。
そして事務所の中では、アイドル的存在になりつつあった。
みんな、それぞれに言葉をかける。
「ぺろ〜いいなあ〜お前、幸せだなあ〜」とか。
「ぺろ!猫の手、かしてくれ〜!」とか。
ある日、お客さんが言った。
「ぺろは、なんで、舌が出しっぱなしなんだい?」
そうだ!なんでだろう?ちゃんとしまってあったためしがない!
常に出しっ放しなのだ!
むむむ…そんで、口を開けてみた。
「!」
「歯が…少なすぎる!」
そうなのだった。。歯がほとんど残ってないのだった。
かろうじて、奥歯がある。前歯はのこりかすのようなもの…
なんでや?おばあさん猫なのかなぁ?
つまり、舌がおさまる歯の囲いがなかったのだった!
そして、初夏を迎え、ぺろの行動範囲が広がっていくのであった!
【vol 5】
事務所の2階は代表のプライベートルームだったが、仕事兼用の部屋があった。
そこはいつもドアは開けっ放し。
ある日、2階へいった時だった。
いつもは閉じてある襖が開いている!
なんで、開いてるのかなあ?
ここには、代表のプライベートなモノであふれている。
布団などなど!
あ〜閉め忘れたな〜?と思い、閉めた。が…
かつて、この戸が開けてあるのを見た事がなかった。

ゾ〜…
ちょっと、無気味…かも。。?足早に下へ降りた。
数時間後。。また、2階へ。
作業を終え、下へ行こうとしたら…あれ!
また襖が…開いてる…ドキドキ…なんで!?
さっき、閉めたはず!
ぴしゃっ!!戸を閉めた。。。。
下におりて、皆に聞いてみた。
「襖、開いてたけど、閉め忘れたの?」
「ん?開けてないよー」
事務所は、納期に追われて大忙し!
みんな、忙しくて時々自分が何をしたのか忘れる事も多々あるだろう。
でも、なにか、いる…そんな言葉が脳裏を走った。
まさか、まさか…いる!?
目に見えない、なにかが!!ゾ〜…。
この事はしばらく、この事は誰にもいわないでおこうと…思った。。
時々、あれ〜?ぺろは、どこかなあ〜?
日ざしが強くなって、ぺろも涼しいところを求めて寝場所を探していたのは、知っていた。だから、姿が見えなくても、どこかでくつろいでいるだろ〜と思っている。外でも中でも自由に移動している。ワタシがいなくても、ちゃんと事務所の人が外へ出してくれるから。
勤務中は、ほとんど、ぺろの事など忘れていた。
【vol 6】
さて、自宅へ帰れば、ほとんどをワタシの部屋で過ごすぺろ。。
ゆめこが外へ遊びに行ってる時だけ、茶の間や台所への出入りを許されるのだ。
しかし問題が起きていた。それは朝!
ぺろも外で用をたすし、お腹もへる。
ワタシが起きなくては、全てのドアは開けられない!
おまけにワタシは日常的に残業…当然の事、朝は遅いし寝坊の毎日。
ある朝の事bだった。うっ!!い、痛い!!
びっくりして目をあけると。。げげ!!巨大ぺろの顔が視界の全てをうめていた!
うは!!
痛いのは、鼻を噛まれているからだった!!
「ぃ、ぃたぃほぉぅ〜〜!こらぁ。。ぺぇろぉ〜」

もう、声にもならん!!
こういう場合、無理に引き離すと危険なのだ。がっちり食い込んでいる牙がさらに深く刺さるから。
ぺろから離れるのを待つしかないと、心の中で思ったが。。
なかなか、離れてくれな〜〜い!
ぺろってこんなクセをもってたんだ。。えええっ?!
ひ、ひどすぎるよぉ…
しかたなく、両手でぺろの顔を静かによけた。。が、数分もかかっってしまった。
がーーん!
鼻に牙の痕が!!
この野郎!と思ったが。。起きなかったワタシが悪いと反省。
って、時計をみるとまだ朝の6時じゃん!
なんとまぁ…
そして不運な事に、これは、ワタシが寝坊するたびに毎朝繰り返されるのだ!
た、たまらん…
この生活を、変えねば…毎朝ぺろに噛まれた痕をつけて出勤しなくてはならない。超恥ずかしい!
そしてついに決断せざるを得なかった。。。それは。。ぺろと二人で暮す!!(単細胞な知恵…)
【vol 7】
ある時。。金縛り状態な感覚が。。!!
息ができない!!く、苦しい!
動けない!口も鼻も息を吸うと、何かが入ってくる!
目が覚めた。。。
え?目が開けれない。。?
顔が妙にこちょばしい。
な、なんやの!!
それは、ぺろだった。。。
うわ〜〜!
もろ、顔の上に座られている!
息ができないはずだ。
口を開ければ、毛が入ってくる。鼻にも毛が入ってくる。。
手でよっこらしょと、どかした。

ぺろをじ〜と見る。
ぺろも不機嫌なワタシを感じたのか、逃げる!そしてドアの前に座りドアを見つめている。
ドアを開けろ、という事なのねぇ…
なんちゅう猫や。。
いまだかつてこんな猫におめにかかった事がない。。
一言、にゃーってなけばいいじゃん!!
そういえば。。こいつのなき声って。。聞いた事がないかも!?
不思議な猫。。。
こうして過ぎる日々の中、ワタシは、とうとう決断した!!
ぺろと二人暮しをするしか。。にゃい!!
何故、極端にそういう発想になるのかは。。???
とにかく、多少の自由をぺろに与えるしかないと、思ったからだった。
おまけに、外へ出せば、ゆめこを追いかける!
ゆめこは終始怯えていた。
ぺろは、けっこうケンカっぱやかったのだ。。
ゆめこが可哀想すぎる。
もう!限界だ〜
出よう。。ぺろと。。
そう、ぺろと二人暮しをするのだ!!
しかし。。。奇妙なこんな決断を果たして、許してもらえるのか?
ワタシが、猫のために実家を出るという事を!!
しばらくは、家族に内緒にしておこう。
さて!探すぞ!ぺろと暮しやすい環境を!
まずは。。不動産会社だな
【vol 8】
ぺろと一緒に出勤を始めて、2ヶ月が過ぎた。
事務所ではあいかわらず、あちこち、気いった場所で過ごすぺろ。
お得意先の人たちもいつしか、ぺろに会うのを楽しみにしているようだった。猫のいる事務所として、定着しつつあったのだ。
ある日、2階へ作業で行った時の事。
また、襖が開いている!
閉める前に…好奇心から中を覗いてみようと思った。
代表のプライベートな場所なので、遠慮してたのだが…
少し広く開けた。
あーー!!

ぺろ!!
布団の積み重なった上に座ってる!
あちゃ〜〜!!
こんなところにいたのか!
なんとも、のほほんとした。カオ!
「ぺろ!だめじゃん!こんなとこにいたら!おりなさいー!」
…。
おりない。
仕方がない。抱き上げておろしたら、さっさと階段を駆け下りていった。
ぺろの座ってたところを見た。
「あらら…ぺろの毛がいっぱいだ〜」
もしかして、いつもここで寝てたのかなあ〜?
後で掃除しておこうっと。しかし…
誰が、この戸をあけてたんだろ…
えええ??まさか、ぺろが襖を開けた!?
ドアノブなら飛び上がって開ける猫はテレビで見た事あるけど…。
犯行を目撃しなければ、なんとも言えないなぁ。
でも、もし、そうだったら…
面白い!!
そうだ!
また、変な考えをしたワタシ…。
下へ降りた。
事務所のみんなにつぶやくように言った。
「ねえ、最近さあ、2階のふすまが開いてるんだけど。。知ってる?」
「あー知ってるよ。僕は開けてないよ」
「私も見た!誰が開けっぱなしにしてるの?」
やはり。。みんな知ってたようだ。しかし。。
「さあ?誰だろう?もしかしたら。。ここに、何かいるのかも!」
「ええええ!!何かって?幽霊!!」
「うん…もしかしたら…いるのかも…古い家だし…」
「きゃ〜!2階にいけなーい!」
若い子が叫んだ。
うひひひ。。。
そこにぺろが寝てるという事実は知らないようだ。
わくわくしてきた!
しかし。。ホントにぺろが…開けるのかなぁ???
だとしたら、どこでそんな技術を身につけたのか。
摩訶不思議猫…
【vol .9】
ある日!!
とうとう、目撃した!
おぉお!!!
ぺろが襖を開けている!

それも、片手でひょいっというかんじで!
すごい!!
なんて、賢いやっちゃ〜〜初めて見た。こんな現場!
しかも、ワタシの気配に気付きながらも、中へ入ろうとするぺろ!
「こら〜!ぺろ!だめでしょ!ここは入っちゃだめ!」
さすがにぺろは怒られてしまい、階段をすばやく降りていった。
「。。。。。」
襖を閉めながら、考えた。
どうしよう〜やはり、ぺろが開けてたんだわぁ。
やめされなければならないけど…やめるとは思えないし。。
だって、猫はせまくて、暗いとこ好き!
そう、そして高いとこ好き!
難しいなあ。。
とりあえず、黙っていようかな。
見かけたら、叱るとしようか。。
それからは2階へ上がった時、必ず注意して見るようになったワタシ。
「今、また2階の襖が開いてたよ。。。」
そんな言葉を聞くと、仕事のフリなんかしながら2階へ上がって、チェックするようになったのはいうまでもない。。
いつ、ばれるかなあ。。?
特に。。代表に!ちょっとドキドキ。。
事務所の人は皆、幽霊探し、ならぬ妖怪探し!
カリカリという音を聞いただの、押し入れの奥から呻き声が聞こえただの。。毎日、話題に尽きなかった。
それは全てぺろだー!!てぇの!
そう、ぺろは、熟睡すると、う〜ぅ〜などと呻くのだ!夢にうなされているような感じ。
そして、ある日とうとう!事務所の男の子が呟いた。
「ぺろがいたぞ…」
皆にばれちゃった。
しかし、皆、疑問点がある。
「どうやって、入ったんだ?ぺろが襖を開けるのか?」
「実は。。そうなんだよ!見たんだ、開けるとこ」
「おぉぉぉ!!すごい!!猫が襖を開けるなんて!」
事務所中に感嘆の声が広がった。
困られるどころか、何故かしら。。ぺろはヒーローみたいになっちゃった!
まぁ、いっか。
【vol .10】
ぺろが来てから、3ヶ月。
事務所と自宅との往復生活にもなれ、我が物顔で暮す様子を今まで紹介してきたが、
ここでぺろの全体図で説明しよう。

ぺろは。。何故か、足が短い!そして太くてたくましい。
耳にはかじられた痕がある。。。
そんで、愛嬌たっぷりに短いしっぽ!
そして。。何より、こわ〜い目!
しかし。。にくめない変なカオ。。そう、出しっ放しの舌!
だけど。。一つだけ、許せないところがある。
それは。。口がくさい!
たぶん、歯槽のう漏なのだろう〜だから、口のそばに顔を近付けないワタシだった。
6月に入り、いよいよ!新居へ!
家族にはぎりぎりまで内緒にしていたが、ある晩、とうとう父に話した!
反対されるかと思いきや。。ぜんぜーん〜あらら。。
拍子抜けしてしまった〜母もまた同じ。
そんなこんなで、引っ越し先は通勤途中のある、2階建てのアパート。
2階中央、広さは3LDK。お手ごろ家賃。
何故、そこを選んだかというと。。裏には広々とした空き地があるから!
そう、ぺろが遊べる場所を探していたのだ。
そして、始まる一人暮らし&猫一匹の生活!
わくわく!だって。。久々なんだもん!
これで、夜更かししてても、注意されることもな〜い!
そんで、もう寝坊して鼻をかじられる事も、顔の上にお尻をのせられる事もな〜い!
だろうと…思う。。が。。?
しかし、ためいきが出る。。ここまで猫のためにする。。自分て!?
まあ、これが自分らしい生き方なのかも〜妙な納得!
そして、新居のアパートでの初めての朝を迎える。。。
つづく
【vol .11】
引越しを無事終えて、初めて迎えたアパートでの朝。
ガチャチャ ガチャ チャ〜〜〜
ん〜。。。なに〜?何の音。。?
うるさいなぁ。。なんだぁ〜?
ガバッと起きた。う…??
ぺろと目があった。じー。ベランダのブラインドのところに座っている。
ん?ぺろは何してるんだ?

すると、ぺろが手で、ブラインドを揺らした。
ガチャチャ ガチャ チャ〜〜
あー!こいつだったんだ!この音!
「こら!ぺろ、やめて〜!うるさいよー!」
しかし。。やめるどころか…
ガチャチャ ガチャ チャ〜
しかたなしに起きて、ぺろのほうへ行った。
「あんたさぁ、何してるの〜朝からさあ〜」
ぺろは動かず、じっとブラインドを見ている。
つまり。。外へ行かせろ!という事なのだ。
ブラインドを開けて、窓も開けた。
さっそうと飛び出すぺろ!
…なんちゅうやつ!!
カーテンにすれば…よかった。。
だって、これが毎日!繰り返されるからであった〜〜。。。
そして、真新しいブラインドも、ある箇所のみがヨレヨレになるのも
そう遠くなかったのだった。!かなしー!
そういえば、今日は月曜日。出勤だ〜
あ、ぺろは外へ出たのだった。ちゃんと帰ってこれるかなあ?
時計はまだ、7時をまわったところ…
早いじゃーん!
事務所は9時から。あと、2時間もあるぞ!
寝よう…
あっ!目が覚めた。ぺろは?あ〜〜出しっ放し!!
あわてて服を着て、外へ出た。
玄関を出ると、そこは共同の通路。ぺろを出したベランダ側の通路だ。
階段を降りて裏へまわった。キョロキョロ。
「ぺろーぺろー!」
アパートの裏は雑草が豊かな空き地。草むらからぺろが出てきた。
「あーいたいた〜よかった〜行くよ!おいで〜」
ちゃんとついて来た。エライぞ!
ぺろは、すぐに環境に適応する能力をもっていた。
すごい!感心する1日目だった!
だって、外へ出して、ちゃんと帰ってくるんだもの!
【vol .12】
ある暑い夜だった。
ぺろがそわそわ…落ちつかない!
ど、どうしたのか。。?
ベットの下にもぐろうとしたり、台所をうろうろしたり、奥の部屋の押し入れの前をうろうろしたり。。
ん〜?
この様子、前にも見たような!
実家の猫の「ゆめこ」の出産の時だ!
えええ??
まさか、ぺろは今、産む場所を探してるのか?
いったい、いつの間に!
そんな事してたんだ!!
げぇぇ〜
それにしても、見た目じゃわからなかった!
太ってるからかな…?
そわそわしてたぺろも、すわりこんでしまった。
急いで新聞紙とバスタオルをベットにひいて、ぺろをのせた。
「ぺろ〜大丈夫?産まれそうなの〜?」
ぺろは少し苦しそう。。
ときおり、おなかをくねらせる。。
「よしよし。。がんばってね。。」

数時間が過ぎた。深夜だ〜
まだ、生まれない。
ぺろの赤ちゃん。。どんなだろう?
何匹産まれるだろう?
子猫ちゃん、可愛いだろうなぁ!
でも、また里親探しで忙しくなるぞー!
そんな事を考えてるうちに、何かが、でてきた。
あ!
これは…?
子猫の形はしてるが。。あらららら。。。
早すぎたのだ。完全に早産だった。。というより、死産。
全部で4匹。
かわいそうに。。
仕方がないと思った。
でも、自力で出したのだから。。えらいぞ、ぺろ!
すでに、夜は明けていた。
【vol .13】
冬が来る少し前の事だった。
外へ遊びに行ったぺろは、ベランダ窓の前に座り、帰ってきた事を無言のうちに知らせる。
ある日曜日の夕方だった。
お、ぺろが帰ってきた。ん?なんか、くわえてる?なんだ?
玄関のドアを開けた。
「おかえり〜ぺろ〜。。。何、くわえてるの?ん?」
ぺろが「にゃー」とでも返事をするつもりだったのだろうか。
口を開けた拍子に、何かが落ちた。

げげ!!ねずみじゃん!わー!!
ねずみはぴゅーと!素早く走り!!
なんと!部屋に入ってしまった!
「キャーー!!!」といいつつも、走る姿を目で追った。
しかし、早いぞ!!
完全に死角に入り見失った!
確か…キッチンのほうにいったはず。
冷蔵庫の下にでももぐったかなあ〜??
ぺろを何気に見た。
別に後を追うでもなーい!知らんぷりしてる!
「ぺろぉ〜あんたねぇー!」
…ここで怒ってはいけない…誉めねば!
「ぺろぉ〜よく捕まえたね!偉いねえぇぇ…」
偉くなんてなーい!
くぅ〜どうする!!
実は、私はねずみが…ちょー苦手!!
それに、恐〜い…
一瞬見ただけだったけど、でかかったぞ!
むむむむ…。
あわてて他の部屋の戸を閉めた!
これで避難場所を確保!
けど、どうするべぇ〜困ったなぁ。
「ぺろ〜責任とってよ〜しっかり捕まえてよぉ〜」
そんな言葉をよそに、ぺろは顔を手で洗っていた…。
その夜。ワタシはベットルームに閉じこもって、捕獲作戦を考えた。
いい案がうかばなーい!
やだやだ〜ねずみと同居なんて〜恐いよぉ〜
クモも嫌いだけど、ねずみもイヤー。
なきたーい!
ここはやはり、今夜、ぺろに託すしかない!
居間にぺろをおいて、いい聞かせた!
「ぺろ、たのむから、捕まえてよ。頼んだぞ!隊長!」
でも、食事はどうしよう。
これからご飯なのに。よし!勇気をだせ!
ダダダダダッ!マッハで冷蔵庫を開けて、食料を物色。
適当に食べれるものを部屋に持ち込んだ。
深夜…眠れない。
戸を5cmほど開けてぺろの様子をうかがった。
ぺろはクッションの上で寝てる。
こりゃ、だめだぁ〜やる気ゼロじゃん。
ねずみの気配を感じないのか、それとも遊んだ後だから興味を失ったか…。
はたまた、ワタシへのお土産で渡したと満足したのか!
ほうきで追い込むかなぁ。やってみよう。。
抜き足…差し足…ほうきをとって、キッチンへ。
冷蔵庫の下中心にほうきを振り回す!ザッザッ!
しーん。効果なし!
夜が明けた。眠れなかったぁ!!どうするか。
とりあえず、出勤した。
他の部屋は閉め切ってきたから、キッチンと居間しか行動範囲はないはず!なんか、いい案はないものか…
そだ!ねずみはチーズが好きなんだ!よし!
かくて、ぺろのお土産との対決が始ったのだった。
【vol .14】
ねずみ捕獲作戦!第一番目!
きわめて原始的な方法を考えたのだ!
それはチーズ&かご作戦!想像した方は、お笑いになるだろうが、ワタシは真剣そのもの!
なぜ、かご作戦なのかというと。。できれば生きたまま捕獲したい!
そして外へ自由にしてあげるため。
しかし。。今どきこんな罠にひっかかるヤツ、いるのか!?
ま、期待しよう!
ねずみとのろう城2日目の昼休みに、この罠をしかけた!
夜に帰ってきて。。がーん!
かかってない!
むむむ。。このねずみ君、チーズがキライだったかなぁ?
そんなこたあ、ないだろ!
今夜に期待しよう!
ぺろに言い聞かせた。
「ぺろ!食べちゃだめよ!わかった?」
「。。。。。」
食べちゃだめというのは、チーズのコトを言ったのだったが…

そういえば、ぺろはなんでねずみをつかまえてきたのだろう?
ぺろは始め、かんずめのキャットフードしか食べなかった。
ゆめこと同居してから、ねこまんまも少し食べるようになったが、
他のものには全く興味がなかったのだ。
まさか。。お礼!?
そういえばマンガの「マイケル」に出てきたっけ。
食事を与えてくれた恩返しに。。ねずみ!
むむむむ。。。
こんなお礼は、迷惑…。
そして、次の日の朝!期待して覗いた。。
「あちゃ〜!」
かごはひっくりかえってるけど。。
肝心のねずみがいない!
状況からすると。。これはぺろがひっくり返したのだろう。。。
しかし、チーズは食べられた形跡はなし。
ひっかかって倒れたって感じ。がっくし。。
この作戦は失敗だ!次の作戦を考えねばならなくなった〜!
【vol .15】
ねずみ君とのろう城生活3日目。
何かいい案はないかと考えてみたものの。。ない!!
事務所の人に相談した。。
「あははははははは」
「…。」
「猫いらずでも使えば?あはははは〜」
おもいっきり笑われて…がーーーん!
猫いらずって、あれ?毒入り!
ん〜。
ワタシの主義に反するなあ。。でも、むむむ…
でもなぁ、これ以上、ろう城生活もやだし!
何より、アパートの損害を考えた。あちこちかじられたり、穴なんかあけられたら大変!
やむをえない。。。か。。
ホームセンターで購入し、アパートに帰って台所にセットした。
「ぺろ、絶対これを食べたらだめだからね!まあ、食べるか分からないし、とりあえず3粒で様子をみよう…」
その夜は、ぺろが誤って食べたらいけないので、一緒にベットで眠った。

次の日の朝、3粒あったはずの粒が、一つ減っていた。
。。。。食べたな…。
効き目があるかは分からないが、その日、一日ちょっと心が沈んだ。
夜に帰っても、一粒減ったままだった。
片付けて、いつものぺろとの暮らしが戻った。
というわけで、なんとかねずみとの対決を終了したわけだが、肝心のねずみは見つからなかった。
その後、部屋を出る時に冷蔵庫の下のすみっこから、死骸がでてきたのだった!
それは年があけてからのコトだった。
さて!年が明けて!このアパートでのぺろとの生活も終了を迎える事となった。
それは、そう!新居に引っ越すから!
今度の住むところもやはりぺろが過ごしやすい環境を考えて選んだ!
空き地があって、ぺろがのんびり遊べる場所がある事が第一条件!
そんで、やはり2階くらいが良い。
ぺろを外へ出すにも迎えに行くにも便利だったから。
引っ越しは、雪もまだ深い2月。
今度の新居から事務所までの距離はかなり遠い!
ぺろを乗せての車での出勤。。大丈夫かなあ。
ぺろにはちょっとシンドイかもしれない。
それに…同居人が一名増加!これは人間であった。
二人と一匹の生活となるのだった。
【vol .16】
さて、ぺろとの暮しもとうとう冬に突入。
朝は雪はねで始る日も多くなった。
雪はね道具はいろいろある。ママさんダンプとか、スコップとか、ワタシは軽い「ジョンバー 」といわれる道具を購入した。
当時は今ほど種類が少なかったため、選べなかった!
ぺろを車に乗せ、雪はね!
ぺろは私の雪はね光景を窓ごしに眺めてる。
多い日は30〜40cmも一気に積もる。
雪はねは結構、重労働なのだ。

ある日の朝、雪はねが終わって、さあ、出勤!
しかし。。また、アパートにもどってまた、道具をおいてこなきゃならない…めんどくさーい!
そこで、車の荷台につんだ。こりゃ、便利!いつも乗せて走ろう!
そうすれば、何時でも雪はねがすぐできる!
しかし、それがいつのまにかワタシのトレードマークになってしまっていた。
つまり、ネコとジョンバーをのせた赤い軽はワタシの車!
「こんな車はね、初めて見たよ。雪はね道具積みっぱなしってね。おまけに猫…。」
いつも利用しているスタンドの所長が腹をかかえながら笑った。がーーん!
いいのら!
ある日、代表が言ってた。うちはネコが出勤する事務所だという事を、あるカメラマンに話したらしい。そのカメラマンは、言ったそうだ。
「おおお!!僕もね、夢なんですよ〜犬と出勤するのが!いいなあ〜」
ふむ。。世の中、変わった人もいるものだ。
だって、そうしたくてこうなった訳じゃないのだから!仕方なくなのだ。
ぺろは冬になっていっそう外へ出なくなった。
事務所の中ではいつもの場所。ストーブの前!
そこは、ワタシの机のすぐ後ろ。。
時々、「ぎゃっ」っとぺろの声!
椅子のキャスターがぺろのしっぽを踏んでしまうのだった。
「あ、ごめん!」
そんで、お客さんとか事務所の人も時々、ストーブの周りにたむろする。
「ぎゃっ!」
「あ、ごめーん!ぺろ」
誰かにしっぽを踏まれるたびにぺろは睨む。
しかし…そんな事には動じない!
常に定位置を確保!暖かいストーブの前で寝る。
恐るべし…ぺろ!
この頃になって、ぺろと出会ったアパートの友人が言った。
「あの、ネコ、どうしてる?なんか、押し付けて、悪かったなと思ってさぁ」
「あー大丈夫だよ。ちゃんと面倒見てるから。ぺろって、面白いネコだったよ」
「でもさ、あの時、どうやってうちのアパートに入ってきたんかねえ?」
「あーそれはね、ぺろが自分で戸を開けてはいってたのねー」
「へ?ほんとに?」
友人は目をまんまるくして驚いてた!
それにしても、ぺろは、いったい何処からやってきたのだろう。。
そしてワタシと出会ったというこの運命を、彼女はどう思ってたのか。
ぺろ〜聞かせて欲しい〜
そのへんを!
ぺろなら、たぶんこう言ったと思った。
「あのにゃー、アンタと暮して、おもろいでー!」と。
【vol .17】
さて、長く続いたこのぺろ物語りもいよいよ終盤となった。
これからは、思い出すのがちょっと、辛い。。
でも、書き残しておきたい。猫、犬、ペットを愛する人たちへ。
いつかはやってくるその日を覚悟するために。
新居へ移ったぺろは、やはり!いつものマイペース。
そう、何をかくそうここは現在、住んでるマンションなのだ。
周りは空き地にグラウンド!
遊び場&狩りには最適!
ある日、今度はスズメをくわえてきた!!
羽がバタバタしてる。
生きてる!
「ぺろ〜ダメよ!はなしなさーい!」
ぺろは、食べないくせに狩りが趣味だった。
しかし、こんないつもぼわ〜としてるぺろに捕まるスズメもいるのだな。
新居に越していっそう忙しい日々が続いた。
朝、マンションの外へ出す。なんせ用足しは外じゃないとできないのだ。
出勤時間になっても戻らず仕方なく、そのまま出勤してしまったコトもあった。
昼休みにもどれる距離じゃない。
勤務中、ぺろはどうしているだろうと心配ばかり。
マンションの人に迷惑をかけていないだろうか等。
急いで帰宅すると、なんと正面玄関前にすわって待っている!
「ごめんね〜ぺろ〜!」と抱き上げる。
マンションの集合玄関はぺろには開ける事が不可能。
次の朝ゴミだしに行った時、マンションの住民がこう言う。
「猫ちゃんね、玄関のフロアでずっと、待ってたのよ。」と。
その様子は忠犬ハチ公ならぬ忠猫ぺろ公と呼ぶに値する。
マンションの住民の中にはペットを飼う事への批判がなかった訳ではなく、
なるべくは車に乗せ出勤していた。

その頃から、ぺろとすれ違いの日々が始っていた。
すれ違いとは、ココロのすれ違い。
ワタシは自分の忙しさでぺろの生活を理解してやれなかったのだ。
その年の夏は異常に暑かった。
連日30度を越す猛暑!
人間も動物もうだる暑さだった。
その中を車に乗せて出勤していたのだから、当然、体に負担がかかっていただろう。
ある日、ぐったりしたぺろがいた。
【vol .18】
ぺろが具合悪そうにしている。
その日、仕事は立て込んでいたけれど、病院へ連れていく事にした。
こんな姿のぺろをみた事がなかったから。
そういえば、この頃、食欲もなくいつもじっと寝ていたっけ。
夏バテぐらいにしか考えていなかったから。
動物病院はいつも利用しているところだった。
院長先生はお年寄り。
ぺろを見てもらうと、高熱が出てる事がわかった。
38.8度と高熱だ。
先生はぺろの診察と私の話で、考え込んでいた。
「血液検査するよ」と先生が言った。
え?そんなの初めてだった。
ゆめこが具合悪かった時すらそんな検査しなかった。
目眩がするくらい不安がよぎった。
検査結果は、信じられなかった。
「急性白血病だよ」
「え?白血病!」
異常に白血球が増えているという事だった。
「あのね、今夜が山だよ。手のつくしようがないよ」
「…。」
「おいていくかい?見るのはつらいだろう?」
「え?それって。。?」
「注射で、苦しまないようにしてあげるよ。」
「!!!!」

信じられない!まさか、そんな事を言われるなんて!
「ほんとに、今夜なんですか?」
「かわいそうだけど、間違いないね」
「…。」
「おいていきなさい」
「…。」
頭の中は真っ白だった。そして今夜だと突然言われても信じられなかった。
診台の上のぺろを見た。ほんとに、今夜!?
考えてみた。先生のいう事はたぶん、あっているのだろう。
でも…安楽死だなんて!
そんな選択を自分は、できない。
だって、ぺろは大切な大切な友だち。家族。
希望はないかもしれないが。最後は一緒にいてやりたかった。
「見るのは辛いよ。おいていきなさい」
「先生…連れて帰ります。」
事務所に電話し、代表に伝えた。そのままもどらず、帰らせてもらう事とした。
帰り道、運転をしながら涙がとめどもなく溢れてきた。
ごめんね、ごめんね、ぺろ。
こんな風になったのは自分のせいだと、責めていた。
【vol .最終回】
ぺろが急性白血病と分かって、会社へ出勤せずそのまま自宅へ帰った。
ぺろを家に連れて帰ったワタシは、ぺろを柔らかいクッションに乗せて、耐え切れず涙した。
ぺろは呼吸が苦しいのか、苦しがってる。
だんだん呼吸する事が辛くなってるようだった。
何故、気づかなかったのだろうと悔やまれた。
ここで暮らす事に無理があったのだろうか…。
しかし、もう手遅れ。
ぺろの苦しみが少しでもやわらぐ事を祈り考えた。
できる事、それは祈る事だけだった。
片時も離れず、ぺろの横で過ごした。
背中をさすってやる。
ぺろと出会った日が思い出される。
どこか人間くさいところのあるぺろ。
世渡り上手なぺろ。
いいようにワタシを使ってきたぺろ。。
いつしか、ぺろなしの生活は考えられなくなっていたワタシ。
何時でも何処でも一緒だった。
ぺろのために実家までもでた。
ぺろとの出会いに不思議な縁を感じていた。
同居人(旦那)が帰ってきて事情を話した。晩御飯は作ってくれたものの食べる事はできなかった。
深夜、ぺろの側でいつのまにか眠ってしまい、目が覚めた。
ぺろがいない!
どこへ?
「ぺろ、ぺろ〜」
いない!あんな身体で、どこへ!?歩く事もままならないのに。
なんと、お風呂場に横たわっていた。呼吸は相変わらずゼイゼイしていた。
「ぺろ!」
何故、こんなところへ。お水が欲しかったのかな。
ぺろの口に水を浸したハンカチをしぼってやった。
「ぺろ、お水だよ。。」
動物は、静かに自分が死すところを探すと、聞いた事があった。
ある番組で見た、象の事を記録したものを思い出した。
群れから離れ、静かに果てる。。。
そんな光景を思い出す。
朝方にワタシはまた眠ってしまったようだ。
目をさますとまた、ぺろがいない!
お風呂場へいってみた。
ぺろは静かに横たわっていた。
ワタシにその最後の姿を見せず、逝ってしまったのだ。
ぺろは、やすらかな顔をしていた。最後はきっと呼吸が苦しかっただろうに。
「ぺろ、よくがんばったね。。」
頭、背中、お腹をなでてやった。
そして、抱きしめてあげた。
ぺろは何故お風呂場を求めたのか。
水場にいるほうが、呼吸が少しは楽だったのだろうと思う。

ぺろを抱き、事務所へと出勤した。
可愛がってくれた皆にお別れをさせるため。
皆、ぺろを抱き、体をさすり泣いてくれた。
こんなにも愛されていたぺろ。
たった1年と少しの間の出来事だったけれど、その生き様と印象は皆の心、そしてワタシの心に今もに生きている。
ぺろは、今、実家の裏庭のすももの木の下に眠っている。
おわり
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